🎙️ 番組概要
- 放送日: 2025年6月11日
- 出演: 鎌田伸一(ラジオNIKKEI記者)
- コーナー: きょうカブ!鎌田伸一の今日の株式
🕒「あっという間に3万8500円台――この水準、覚えてますか?」
鎌田:はい、午後3時17分を回りました。そろそろ大引けです。今日の東京市場、いやー、来ましたね。3万8500円!
ちょっと前まで夢のようだったこの水準、実は、2月21日以来。およそ3カ月半ぶりの高値圏。久々に“あの頃の空気”が戻ってきたなと、そんな感じがします。
鎌田:TSMCの月次売上高、5月が前年比**+39%。前月(4月)が+48%だったから「鈍った」って声もあったけど…アメリカ市場ではインテルが8%近くも上げた**んですよ。そりゃ日本市場だって黙ってない。
朝からスッと買いが入りましてね、気づけば3万8500円に乗せてきた。この感じ、ひとことで言えば「自然な強さ」ですね。
📈「日経もS&P500も、“あの2月”に戻った」
鎌田:ちょっと面白いのが、日米の代表的な株価指数が、ほぼ同じタイミングで“あの頃”の水準に戻ってきてるってことなんですよ。
- 日経平均 → 2月21日以来の3万8500円台
- S&P500 → 2月26日以来の6000ポイント台(先週金曜)
これは偶然じゃない。戻りの足並みが揃ってきてる、そう見てもいいんじゃないでしょうか。
🧠「半導体高く、防衛関連安い。そんな日です」
鎌田:さて、今日の相場をひとことで言うなら、こうなります。
「半導体関連が高く、防衛関連が安い。」
はい、これです。
🔼 上がった銘柄たち
- ディスコ:+5%超
- 東京エレクトロン:+4.3%
- レーザーテック:+2.5%
- ソフトバンクグループ:+1.7%(アームが好感)
ディスコなんて、1年間の高値6万8000円→今年4月には2万2000円まで落ちてたんですよ。それが今日、またズドンと上がってきた。つまり、「落ちた株の反発」が来ている。
🔽 一方で下がったのは?
- 三菱重工:-3.8%
- IHI:-4.8%
- 川崎重工:-4.5%
- 任天堂:-3.8%
鎌田:え? 任天堂と三菱重工って全然違う業種でしょ?でもね、共通点があるんです。
この1年で2倍、3倍に伸びた、“ものすごく強かった株”という点。
鎌田:強かった株が売られ、沈んでた株が買われる。そういう“循環”が、今日の東京市場では起こってるように見えますね。
🔄「大きな資金が動いている音が、聞こえる気がします」
鎌田:これだけ大型株がまとまって動くと、やっぱり思いますよ。
「資金の大移動が始まってるんじゃないか?」
防衛関連株を売って、半導体関連株を買う――単純な話じゃなくて、機関投資家のポートフォリオ再編が動いてる気配がするんですよ。
鎌田:特に、利下げ観測。これが再び高まれば、半導体株が輝きを取り戻す。そう考える投資家が、ポジションを組み替えてる可能性があると思いますね。
💄「資生堂? はい、ここにきて“出番”です」
鎌田:今日、ちょっと注目だったのが資生堂(4911)ですね。
「昨日は6%高、今日は一時2658円まで上昇。5%近い上昇も見せたけど、最終的にはマイナスで終わってます」
でもね、この動き、“戻りの芽”としては見逃せないんですよ。
- 去年6月:5115円(高値)
- 今年4月:2200円割れ(安値)
6割下落してた株が、いま少しずつ戻ってきてる。このあたりも、“循環物色”のひとつの表れと言っていいと思います。
💱 ドル円145円台中盤、売買代金4兆円超
- ドル円は145円25銭まで上昇
- 日経平均:3万8421円19銭(+209円68銭)
- TOPIX:2788.72(+2.48)
- 売買代金:4兆483億円
鎌田:はい、4兆円に乗せてきました。売買代金がこれだけ膨らむということは…
「戻り売り、利益確定売りがしっかり出てきているということ。それだけ、今の水準が“売りを誘いやすい価格帯”にあるということでもあります」
🔍「今夜のCPI、“Too Late Powell”が聞こえるかも?」
鎌田:そして今夜、アメリカの**CPI(消費者物価指数)**が発表されます。
- 1月:3.0%
- 2月:2.8%
- 3月:2.4%
- 4月:2.3%
と、物価上昇率は鈍化中。もし、今夜の数値がさらに抑制されていたら…?
「“これはトランプのおかげだ!”と、“Too Late Powell”の声が飛び交うかもしれません(笑)」
鎌田:でもね、そんな声があったとしても、実際に利下げが行われるかどうかは別問題。関税の影響とか、まだまだ見えない部分も多いんです。
🎯 鎌田伸一の“きょうのひとこと”
「戻り相場が続いてます。でも、“戻った”だけじゃなくて、“このあとどう動くか”が大事。
景気が本当に良くなるのか、利下げがあるのか――それを見極める局面に入ってきましたね」
📝 投資家向けポイントまとめ
- 循環物色が鮮明化:強い株に売り、弱い株に買い
- 半導体関連株に資金が集中
- CPI次第で、今後の利下げ観測が加速する可能性
- 売買代金4兆円超=戻り売りと利益確定が混在する地合い
✨ さいごに
3万8500円台を回復した6月11日の東京市場。強かった銘柄が売られ、苦しかった銘柄が顔を出す――**「新しい物色の流れ」**が確実に生まれています。
鎌田さんの語りの中にあった言葉が印象的です。
「強かった株が売られて、沈んでた株が買われる。それが市場の面白さですよね」
さて、今夜のCPIが、さらにその“面白さ”を深めるのか。注目して見守りたいですね。