「さて、午後3時19分を回ったところで、きょうも東京株式市場の一日を一緒に振り返ってまいります」

6月12日放送の『きょうカブ!』では、日経平均の反落という全体地合いの中にも、バリュー株・小型株への資金流入が顕著に表れた一日となりました。

出典:ラジオNIKKEI

📉日経平均は反落、でも中身を見ると…

「きょうはね、上値を買っていくような強い材料に乏しかった、というのが率直な印象です」

日経平均株価は248円安の3万8173円、トピックスも5.75ポイント安と揃って反落しました。

「アメリカ市場が静かすぎたんですよ。ニューヨークダウが“1ドル安”っていうね、ちょっと見たことないくらいの動きのなさ。それを受けて、東京も朝から買い材料に乏しい地合いで始まりました」

そして目立ったのが、前日に買われていた半導体株の下落。

  • ディスコ、アドバンテスト、レーザーテックが売られ
  • 東京エレクトロンは小幅高

「でもその一方で、防衛関連が非常に強かった。三菱重工、川崎重工、IHI。この3銘柄で4〜5%近い上昇です」

📈東証スタンダードは史上最高値!小型株に熱視線

「実はですね、きょう、東証スタンダード指数が史上最高値を更新してるんです。これは見逃せません」

• プライム市場は-0.24%と軟調
• スタンダード市場は+0.3%と逆行高

「スタンダード市場っていうのはね、内需株とかIR資料を英文で作らなくていい企業が多い。それからグローバル展開しつつも割安な企業が多いんですね。そういうところが、今見直されてる」

そして、トピックスをサイズ別に見ても…

「大型株がマイナス、中型がトントン、小型株はプラスなんですよ。まさに“小型株買い”の地合いが続いてるってことですね」

🛢原油高騰でエネルギー関連株が続伸!

「もうひとつ注目したいのが、原油価格の上昇ですね。2週間前には60ドルぐらいだった原油が、いま69ドル台。15%近く上がってるんです」

その流れを受けて、資源・エネルギー関連株が上昇しました。

📌注目銘柄(エネルギー関連)

銘柄コード 企業名 終値 前日比 備考
1615 東証ETF(エネルギー) 2,060円 +27.5円 +1.35%、資源ETF
6269 三井海洋開発 5,730円 +260円 +4.75%、史上最高値を更新中

鎌田さんは特に三井海洋開発に注目。

「この会社、海外売上高100%。ドル建てで決算を発表するんですよ。受注残が171億ドル、年商の5倍近くあるんですから、そりゃ株価上がりますよね」

「ブラジルでの海底石油設備の受注をガンガンとってる。きょうも“窓を開けての上昇”という力強い動きでした」

💰光通信は“含み益4000億円超”で高値更新!

「割安株ブームの象徴とも言えるのが、光通信(9435)です」

• 株価:41,700円(+890円)
• 含み益:4,446億円
• 株式取得総額:7,254億円
• 時価総額:1兆1,700億円

「PERが低くて、配当利回りの高い会社ばかりを買ってるんですよ、光通信は。つまり、“割安株のプロ”が買ってる株ってことになりますよね。そういう背景があるから、いま人気が出てる」

🔎今後の視点は?法人企業景気調査が示す好業種

「そして今日は、法人企業景気予測調査が出ました。ここから読み取れるのは、繊維、紙パルプ、石油石炭、土石、情報通信機械などが、2桁増益の見通しだということ」

「数字は残りますからね、地味でも。そういう業種が来期以降、しっかり注目されてくるかもしれません」

✅まとめ:投資家が探しているのは「割安で業績の良い企業」

「小型株、割安株を探す動き、これは海外投資家・個人投資家問わず、“今の日本株投資のテーマ”になってきてます」

「値動きの激しいグロースじゃなくて、業績と株価が乖離してるところを狙う。それが今日の相場の根底にある動きだと思います」

📣 リアルタイムの相場の声を聴くなら、ラジオNIKKEIの『きょうカブ!』

毎週平日、午後3時すぎから放送中。音声だからこそ伝わる、鎌田伸一さんのリアルな市場感をお楽しみください。

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