こんにちは、「きょうカブ!」鎌田伸一です。
本日6月16日(月)の東京株式市場、日経平均は477円高と大きく反発し、高値圏での引けとなりました。
さて、この動き、どう見たらいいのか──短期的な買い戻し、それとも長期の潮目の変化なのか。
きょうは、そんな“きょう的”な動きを中心にお伝えします。
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🟢 きょうの値動き:想定超える上昇、そのワケは…
日経平均は3万8311円33銭、477円80銭高。
朝から強い展開でしたが、引けにかけての粘りが印象的でしたね。
実は、先週土曜の朝6時、先物市場を見ていた時点で「180円高」だったんです。
つまり、市場はアメリカの下げはある程度織り込んでいた。
「それが、フタを開けてみれば477円高。これはもう、“買い戻しの連鎖”ですね。」
金曜日、空売り比率は42.8%。
月曜から金曜にかけて、じわじわと上がっていたんです。つまり…
「金曜にショートを取った人たちが、月曜のこの強さに耐えきれず、ロスカットの買い戻しに動いたと。これが、今日の動きの主因だと思います。」
📉 金利もドルも、思ったほど下がらない
金曜日のアメリカ市場。株価は下落していたものの、
「金利が大きく下がって、ドル安が進むのでは?」と構えていた投資家も多かった。
ところが、実際にはドルは強めに戻ってきた。
「ドル安が進まなかったことで、日本株には“追い風”。ドルと金利が落ち着いている限り、日本株は崩れにくいんです。」
🏦 休み中に出た“あの記事”が効いた?
ちょっと注目しておきたいのが、週末の日経新聞報道。
内容はこうです:
日銀が国債買い入れの“減額ペース”を緩やかにするかもしれない。
今まで四半期ごとに4000億円ずつ減らすと言っていたのを、2000億円に小さくする案が浮上している。
「これは、“想定よりも日銀が買ってくれる”という話。つまり、金利の急騰を防ぐ気遣いを見せている、というメッセージですよね。」
このニュースが、“日銀フレンドリー”な印象を市場に与えたわけです。
その空気感が、今日の東京市場にも確実に反映されました。
🎙 ゲスト:日銀ウォッチャー・加藤 出さんの解説
番組後半には、日銀ウォッチャーの加藤 出さんにも登場していただきました。
「国債の減額ペースを小さくすること自体は、額としては小さい。でも、“印象”としては大きい。」
つまり、“本気の金融引き締めにはならない”という見方を、マーケットに与えるわけです。
「もちろん、長い目で見れば問題の先送りという一面もある。でも今は“配慮”が大事なフェーズなんでしょうね。」
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🏭 注目銘柄:日本製鉄(5401)
さて、きょう個別で目を引いたのが日本製鉄です。
終値は2872円50銭、前日比で43円50銭高。一時は2970円まで上昇しました。
話題はもちろん、USスチール買収の正式成立。
「従来から言われていた“高コストなスキーム”に加えて、“黄金株”という制限もある中、それでも株価は上昇した。」
これはつまり、アメリカ政府の統制を受けながらでも、
「アメリカ事業の拡大を評価している投資家がいる、ということです。つまり、“米国の鉄鋼需要は強い”と読む動き。」
国内市場は頭打ちでも、アメリカ市場に未来があるという視点で、日本製鉄の攻めの姿勢が評価されたわけです。
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🔭 今週の展望:FOMCの“ドットチャート”に注目!
今週の注目は、FOMC(米連邦公開市場委員会)。
今回は“金利見通し(ドットチャート)”の改訂が出ます。
「3月の中央値は年2回の利下げ(3.9%)だったけど、いまだに利下げはゼロ。このままなのか、それとも変更があるのか。そこが焦点です。」
もし“利下げ回数”が修正されれば、マーケットにはサプライズ。
逆に、据え置きであれば「想定通り」ということで、安心感が広がる可能性も。
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📊 本日の市場データまとめ(2025年6月16日)
指標 | 終値 | 前日比 |
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日経平均株価 | 38,311円33銭 | +477円80銭(+1.26%) |
トピックス | 2,777.13pt | +20.66pt(+0.75%) |
東証プライム売買代金 | 4兆712億円 | – |
値上がり銘柄 | 1132(約70%) | 値下がり:432、変わらず:64 |
東京原油 | 61,920円 | 変わらず |
東京金 | 15,943円 | +56円(+0.35%) |
📝 きょうの一言まとめ
- 金曜日のショートポジションが裏目に出て、買い戻しが加速
- 米金利・ドルの落ち着きで、日本株に“安心感”
- 日銀がマーケットに配慮した動きを見せた可能性
- FOMCの“金利見通し”に、今週は要注目!
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📻 明日の日銀会合、そしてFOMCへ──
今週は「中央銀行W週間」。株式市場の“空気”が変わるかもしれません。
以上、「きょうカブ!」鎌田伸一でした。