2025年6月20日、金曜日──
「きょうカブ!」のコーナーでは、ラジオNIKKEIの鎌田伸一記者が今週の株式市場を総括。
日本株の強さと半導体セクターの牽引力、そして来週に控える米経済指標について、鋭い分析が披露されました。

■日経平均は続落も、下値は限定的?
この日の日経平均株価は【85円11銭安の38,403円23銭】と小幅に続落。
トピックスも【20.82ポイント安の2,771.26】となり、週末らしい“様子見ムード”の中で取引を終えました。
「昨日の安値引けの流れを引き継いだ形ですが、材料が乏しい中ではありました。むしろ1週間単位で見ると、日本株は非常に健闘していた印象です」
■今週の主役は“日本の半導体関連”
今週、日経平均が4カ月ぶりに38,800円台に乗せた背景には、アドバンテスト(6857)など、半導体関連株の上昇が大きく寄与していました。
「月曜にはアドバンテストが10%近く上がった。主力株がこれだけ動くというのは、かなり強い相場です」
また、売買代金の上位も以下の通り:
- アドバンテスト
- サンリオ
- トヨタ
- ディスコ
- レーザーテック
これらのうち4銘柄が半導体関連ということで、国内半導体セクターの勢いが改めて浮き彫りになりました。
■なぜ今、日本の半導体株が強いのか?
注目されたのは、**日米中の半導体規制交渉の“静けさ”**です。
「交渉中だから規制強化の話が出てこない。そして中国は“アメリカ製チップがなくてもAI開発ができる”という姿勢を見せています」
こうした背景の中で、日本製の半導体製造装置に対する需要が意識され、ディスコや東京エレクトロンといった製造装置株に追い風が吹いた形です。
■個人投資家の“現金余力”が相場を支える?
鎌田記者は、個人投資家の売買動向にも注目します。
「個人投資家はここ2カ月で2兆円以上の売り越し。これは現金に換えているということ。つまり、押し目では買い向かう準備が整っているとも言えます」
- 「戻りで外した」
- 「余裕ができた」
こうした声を拾ったという鎌田記者は、「仮に10%下げたとしても、資金があるから反発しやすい」と見ています。
■来週の注目指標は?「カンファレンスボード期待指数」に要注意
来週の注目は、6月25日(火)夜11時に発表される「カンファレンスボード消費者信頼感指数」。
特に、その中の「期待指数」が要注目です。
- 前回5月:+17.4ptの急回復(54 → 72.8)
- 今回6月:反動減か、さらなる上昇か?
「この“期待指数”は株価との連動が大きく、米国のセンチメント次第で相場が動く可能性があります」
さらに、同日にはパウエルFRB議長が下院で証言し、翌日には上院でも証言予定。
FOMC後の景気・物価見通しに対するさらなるヒントが得られるタイミングとなります。
■主要指数・市況まとめ
指標 | 終値 | 前日比 |
---|---|---|
日経平均株価 | 38,403円23銭 | -85円11銭 |
トピックス | 2,771.26 pt | -20.82 pt |
東証グロース250 | 750.71 pt | -6.87 pt |
売買代金(プライム) | 6兆6,964億円 | |
値上がり銘柄数 | 449 | |
値下がり銘柄数 | 1125 | |
東京金 | 15,729円 | -30円 |
東京原油 | 64,250円 | -130円 |
■まとめ:「下がれば拾う」投資家心理と、日本のポジショニング
6月第3週の日本株市場は、半導体の追い風と押し目買いの姿勢が交錯する1週間でした。
- 半導体関連株に“日本優位”の意識
- 個人投資家は“売り越し→現金化”で次の動きを探る
- 来週の米指標とパウエル発言が波乱要因に?
週明けの東京市場は、米国のセンチメント変化をどう織り込むかがポイントとなりそうです。