🎙️ コーナー概要
放送日: 2025年6月24日(火)
出演: 鎌田伸一(ラジオNIKKEI記者)、八木ひとみ(アシスタント)
🔍 今回のテーマ:アメリカの物価は夏以降どうなる?

今回の「ほんまでっか?」では、鎌田記者がアメリカの物価動向と金融政策の行方について、最新のデータと独自視点から掘り下げました。
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📈 製造業の価格上昇が「確実視」される理由
鎌田:
「経済の世界で“確実に”って言葉はご法度ですが、今回は言わせてください。“アメリカの製造業の物価、夏以降は確実に上がります”」
🔸 根拠その1:ニューヨーク連銀・フィラデルフィア連銀の調査
- 足元の支払価格動向
- ニューヨーク連銀:「価格が上がった」49.5%、「下がった」2.8%
- フィラデルフィア連銀:「上がった」41.4%、「下がった」0%
- 6カ月先の予想
- ニューヨーク連銀:「上がる」59.6%、「下がる」0%
- フィラデルフィア連銀:「上がる」68.9%、「下がる」0%
八木:
「“下がる”と答えた企業がゼロって…ちょっと驚きですね」
鎌田:
「まさに“ゼロ回答”が象徴的なんです。これは明らかに“上昇前提”で動いてる証拠です」
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💼 価格上昇の背景に“関税”あり
S&Pグローバルの6月PMI調査でも、こんなコメントが。
- 投入コストの上昇要因:関税を理由に挙げた企業が全体の約1/3
- 販売価格上昇理由:半数以上が「関税」と回答
鎌田:
「これって、単なる物価上昇じゃなくて、政策要因が引き金なんですよね。特に中国製品への関税強化が影響してます」
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🏭 サービス業と製造業で“明暗”分かれる
製造業:価格転嫁が進み、業績を下支えする見通し
サービス業:競争激化で価格転嫁が進まず、苦戦気味
八木:
「小売売上も4月・5月とマイナスでしたし、厳しそうですね…」
鎌田:
「その通り。価格転嫁できるかどうかが、今後の企業決算の“明暗”を分けると思います」
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💸 FRBの“利下げ観測”が急浮上
▶ 原油価格の急落が利下げ期待を後押し
- 原油価格:WTI先物が急落して67ドル台
- 理由:イランの報復が「ホルムズ海峡」ではなく、カタールの米軍基地だったため、供給不安が後退
鎌田:
「この報復が“原油に影響しない報復”だったのがポイント。原油が下がって株が上がる流れが強まりました」
▶ トランプ氏のSNS投稿が「停戦示唆」
- イラン×イスラエルの武力衝突が“収束”する期待が高まり、マーケットに安心感
鎌田:
「これで一気にリスクオンムードになりました。これがアメリカ株と日本株の同時高につながったわけです」
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📊 フェドウォッチの利下げ確率は?
• 9月までに利下げがある確率:90%
• 前日は70%だったが、原油急落で一気に上昇
八木:
「これはマーケットが“利下げは既定路線”と見始めてる証拠ですね」
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💹 ドル円と日本株の“新しい関係”
• ドル円:148円 → 145円台へと円高 • 日経平均:円高にもかかわらず続伸・高値更新
鎌田:
「通常なら円高は株安要因ですが、今回は逆。この構図が定着すれば、日本株の見方が大きく変わります」
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🛍️ 百貨店のインバウンド売上に“陰り”
- 5月の全国百貨店売上高:前年比 -7.0%
- 免税売上:前年比 -40.8%(425億円)
- 購買客数:前年比 -5.4%、38カ月ぶりの減少
鎌田:
「観光客の数は増えてますが、“円高で高く感じる”という心理が消費を冷やしている面があります」
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💬 鎌田さんの“ほんまでっか”投資視点

ポイント | コメント |
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物価は“確実に上がる” | 関税要因で製造業が値上げに動く |
FRBの利下げ観測 | 原油安と地政学リスク後退で確率90%へ |
サービス業に注意 | 競争激化で価格転嫁難しい可能性 |
為替との新しい関係 | 円高でも株価上昇 → 個別株主導の相場へ |
百貨店は円高でブレーキ | 高額品・免税が特にダメージ |
🎧 ラジオらしい一幕
八木:
「その…甘いもの食べた後にしょっぱいもの食べて、また甘いもの食べて…って永遠に繰り返しちゃいますよね(笑)」
鎌田:
「“歌舞伎揚げ”の罠ですよね、それ(笑)」
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