2025年6月25日(水)、東京株式市場は日経平均が反発し、戻り高値を更新する動きとなりました。放送終盤、ラジオNIKKEIの鎌田伸一記者が、その熱気をこう伝えました。

◆ 日経平均は38,942円で引け 戻り高値を更新
「今日の東京株式市場、取引時間中に3万8900円台に乗せる場面がありました。これは、4月前半の急落後の戻り高値を更新した形になります。結局、日経平均株価は151円高の38,942円07銭で取引を終えました。」
ナスダックの1.4%上昇など、前日の米株高の影響はあったものの、「昨日の時点ですでに日経平均は436円も上昇していたため、今日は小動き」という鎌田さんの冷静な分析。
にもかかわらず、後場終盤にかけて買いが強まり、3万9000円に迫る展開となりました。
◆ 任天堂がけん引、「その他製品」セクターがトップ
業種別で最も上昇率が高かったのは「その他製品」。中でも注目は任天堂(7974)。
「任天堂が4%近い上昇。1万3470円まで上昇し、6月19日の高値(1万3500円)まであとわずか30円というところまできました」
任天堂が構成銘柄に入る「その他製品」セクターが市場をリードしました。
◆ 太陽誘電・イビデンなど、電子部品・半導体関連株が高い
電気機器セクターでは、電子部品関連株の上昇が目立ちました。
銘柄名 | コード | コメント |
---|---|---|
太陽誘電 | 6976 | 上昇率6%超 |
イビデン | 4062 | 半導体向け材料で上昇 |
アドバンテスト | 6857 | 半導体製造装置関連 |
東京エレクトロン | 8035 | 市場の主力株として堅調 |
さらに、化学セクターでも、半導体材料を手がける企業に買いが入りました。東京応化、朝日化成、信越化学などが上昇。
◆ 造船・船舶関連株が一斉高!名村造船がストップ高
この日の最大のテーマ株が、造船・船舶関連株です。
「きょうは中国塗料(4617)が9%近い上昇。高値更新です。さらに名村造船(7014)はストップ高。アナリストの造船業界評価が引き金となりました。」
銘柄名 | コード | 上昇内容 |
---|---|---|
中国塗料 | 4617 | +221円(+9%)、高値更新 |
名村造船 | 7014 | ストップ高、3,210円 |
三井E&S | 7003 | +64円、52週高値を更新 |
フルノ電機 | 6814 | +235円、3,560円まで上昇 |
ジャパンエンジン | 6016 | +10%超、7,550円 |
この背景には、「アメリカが造船大国の復活を目指す中で、日本の技術が必要とされている」というテーマ性があります。
了解しました!
以下に、6月25日放送回の**「きょうカブ!」ブログ記事**の一部として組み込むためのセクション案をお届けします。格言とトリビアを盛り込み、読み物としても引き込まれる構成にしています。
【昭和の相場格言が蘇る?】地獄の名村、再び――造船株に吹く熱風
こ市場の熱狂を集めた銘柄の一つが、名村造船所(7014)です。ストップ高となる3,210円まで急騰。造船関連株が一斉高となる中で、まさに一頭地を抜いた存在感を見せました。
実はこの名村造船所、かつての相場格言ではこう呼ばれていました。
「鬼の佐野安、地獄の名村、情け知らずの藤永田、どうせ死ぬなら中山製鋼」
昭和の仕手相場全盛時代、値動きがあまりにも荒く、「うっかり触ると地獄を見る」とまで言われた銘柄たち。中でも**「地獄の名村」**の異名は強烈で、ストップ高からストップ安まで一気に駆け抜ける暴れ馬として、投資家の記憶に刻まれてきました。
名村造船が再び脚光を浴びている背景には、以下のような投資テーマがあります:
- アナリストによる造船業界への高評価
- 米国の造船復活構想との連動
- ジャパンエンジン、三井E&Sなど造船関連株の連鎖的な上昇
そして何より、**“低位株で材料があれば飛ぶ”**という構図は、今も昔も変わらない市場の習性。名村造船のような“クセの強い銘柄”が火を吹く瞬間、市場は一気にヒートアップするのです。
🚢 あの格言の4銘柄、今どうなってる?
格言 | 銘柄名 | 現在の状況 |
---|---|---|
鬼の佐野安 | 佐野安造船 | 上場廃止・解散済み |
地獄の名村 | 名村造船所(7014) | スタンダード市場で活躍中、2025年6月にストップ高 |
情け知らずの藤永田 | 藤永田造船 | 住友重機に吸収、現存せず |
どうせ死ぬなら中山製鋼 | 中山製鋼所(5408) | 東証スタンダードに上場中、鉄鋼株として堅調 |
名村造船のストップ高は単なる一日の出来事にとどまらず、“昭和の熱狂”を思い出させる相場のロマンも含んでいたのかもしれません。
◆ 黒崎播磨も高値更新、日鉄×USスチール買収に注目
そして、もう一つ注目されたのが**黒崎播磨(5352)**です。
「日本製鉄の関連企業で、耐火物メーカーの黒崎播磨は4%超の上昇で52週高値更新。背景には、日本製鉄によるUSスチール買収によって、高品質耐火物の需要増が期待されているという構図があります」
黒崎播磨の決算資料には、米国の鉄鋼・造船復活における日本企業の関与が示唆されており、「トランプ政権下での造船強化」も市場テーマとして意識されています。
◆ 明日以降の注目:マイクロン決算と日銀短観
最後に、鎌田記者が今後の注目点として挙げたのがこちら:
- マイクロン(Micron)決算:米国半導体株人気が継続するかどうか
- 日銀短観(7月1日発表):企業の経常利益見通しに注目
「為替が円高方向に進んでおり、46月期の企業収益に逆風が吹いています。ドル円水準が1年前より円高なため、海外売上比率の高い企業にとっては、ハードルが上がっているのです。」
【本日のまとめ】
指標 | 値 |
---|---|
日経平均株価 | 38,942円07銭(+151円51銭) |
トピックス | 2,782.24(+0.89) |
売買高(東証プライム) | 約15.8億株 |
売買代金 | 約4.2兆円 |
ドル円相場 | 約145円ちょうど |
東京金 | 15,650円(+47円) |
東京原油 | 58,600円(+630円) |
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