2025年7月4日金曜日の東京株式市場。

この日の日経平均は、小幅ながらも+24円高の39,810円88銭で取引を終えました。

連日の“方向感の乏しい相場”が続いていますが、実はその裏には重要な投資家の動きがありました。

ラジオNIKKEI『ザ・マネー』の名物コーナー「きょうカブ!」では、鎌田伸一記者がこの日の市場を独自視点で解説しています。

📈 日経平均は続伸、でも中身は「利益確定売り」

「朝6時の先物では400円高でしたが、終わってみれば+24円。つまり“しぼんだ”んです」(鎌田記者)

この日の朝方、日経平均先物はアメリカ市場の好調を受けて400円高まで上昇。

しかし、実際の現物市場が始まると、個人投資家の売りが目立ち、上値は重い展開に。

4万円を超える水準では、現物株の利益確定売りが顕著に出ているとのことです。

💸 投資家動向:個人が売り、海外勢が買い

「セミナーで話すと、個人投資家の“うまさ”を感じます。ちゃんと利益を確定してる」(鎌田記者)

市場の上昇局面でも、個人投資家は堅実に利益を確定させているようです。

一方で、海外勢はまだ買いを続けていますが、本格的な“国際分散投資の日本株組み入れ”はまだ限定的との見方も。

🏦 銀行株が強い理由とは?

この日の業種別騰落率で、注目すべきは「銀行株」でした。

業種別騰落上位 コメント
電気・ガス業 金利上昇を意識
銀行業 金利上昇期待+業績堅調
証券・商品先物 金融セクター連動で買われる傾向

三菱UFJや三井住友などメガバンクの株価は、まだ年初来高値には届いていないものの、上昇基調を維持。

さらに、総務省が発表した家計調査で、5月の名目支出は前年比+8.9%、実質支出でも+4.7%と大幅増加。

収入も+4.4%(実質+0.4%)となり、実質ベースで物価上昇を上回ったことが注目されました。

「支出の増加は、金融政策の引き締め期待につながる。銀行株には追い風です」(鎌田記者)

🔮 今後の焦点は「TOPIXと銀行株の連動」

「この1ヶ月、日経平均は+4.8%ですが、TOPIXは+0.1%。これは半導体の力です」(鎌田記者)

今後の相場でカギを握るのは、TOPIX(東証株価指数)の追随と金融株の動き。

銀行株が本格的に上昇すれば、TOPIXも連動して動きやすくなり、
「日本株全体が強い」と市場に認識される展開になる可能性があります。

📅 来週の注目予定

7月10日(木)
→ セブン&アイ、ファーストリテイリングなどの重要決算発表

7月8日(月)予定
厚生労働省「毎月勤労統計(5月分)」発表
→ 賃金上昇が継続しているか、政策判断に影響も?

🧾 市場データまとめ(2025年7月4日)

指標 終値 前日比
日経平均株価 39,810円88銭 +24円98銭(+0.06%)
TOPIX 2,827.95 -1.04(-0.04%)
東証グロース250 710.59 +0.88(+0.12%)
プライム売買高 15億5102万株
売買代金 3兆8803億円
値上がり銘柄数 785(48.2%)
値下がり銘柄数 757(46.5%)
商品先物 終値 前日比
東京金先物 15,644円 -30円(-0.19%)
東京原油先物 58,520円 -10円(-0.01%)

🗣 編集後記

「きょうカブ!」では、日々の値動きだけでなく、その裏にある投資家心理や資金フローを深掘りしてくれます。

“今週の日本株は何が支えたのか?”を知りたい方にとって、毎日15分のリアルなヒントが詰まったラジオです。

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