🎙️ コーナー概要
- 放送日: 2025年6月3日(火)
- 出演者: 鎌田伸一(ラジオNIKKEI記者)、天野ひろゆき、松園克樹、八木ひとみ
ラジオNIKKEI「ザ・マネー 火曜日」恒例の人気コーナー「鎌田伸一のその話、ほんまでっか?」。
今回のテーマは「長嶋茂雄さんの引退成績を通して見る“働き方”の変化」。
昭和のレジェンドと令和の社会構造を、株式投資と結び付けて考えるという“鎌田節”炸裂の内容でした。
⚾️ 昭和の引退は「ピークを過ぎたら即・身を引く」

鎌田:本日はですね、長嶋茂雄さんの訃報が伝えられたということで――まずご冥福をお祈り申し上げます。
そして、彼の“最後の成績”を見ていて、ふとある違和感を感じたんですよ。
天野:違和感?
鎌田:1974年、長嶋さんのラストシーズン。打率.244、本塁打15本、打点55。38歳で引退されました。
松園:今だったら引退するには惜しい成績ですね。
鎌田:そうなんですよ。王貞治さんも40歳で引退しましたが、最後の年の成績は打率.236、本塁打30本、打点84です。これは今なら立派な“4番”の数字です。
八木:でも当時は「ピークを超えたら辞める」が常識だったわけですね。
鎌田:昭和という時代は、20代~30代前半までが主役。40歳まで現役を張るのは“珍しい”という時代だったんです。
🏃♂️ 令和は「現役長期化」がキーワードに
鎌田:いま、プロ野球も社会も、「どう長く続けるか」がテーマです。高校野球ですら投手の球数制限があり、“体を守る文化”が主流です。
天野:それって野球だけじゃなく、仕事もそうじゃないですか?最近は定年後も働く人が増えてますよね。
鎌田:その通り。昭和は「体を酷使してピークで終える」、令和は「どう息長くキャリアを築くか」が勝負。これ、企業経営にも通じるんですよ。
松園:なるほど、そういう視点で見ると、投資のヒントがあるかもしれませんね。
💼 投資家は「長く働ける社会」を支える企業に注目すべき
鎌田:ここからが本題です。では、今の社会で「現役期間が長くなる」時代に、どんな会社が伸びると思いますか?
八木:人材紹介とか?
鎌田:正解です!私が注目しているのは以下のような企業です。
- パーソルホールディングス(2181)
- 派遣・転職・BPO支援と幅広く対応
- リクルートホールディングス(6098)
- 就労支援に加え、SaaSビジネスでも収益源が拡大
- パーソルキャリア、パソナグループなど
- シニア人材の活用にも力を入れています
松園:まさに“働く人を支える企業”ですね。
鎌田:そう。さらにスポーツクラブや健康食品など、健康寿命の延伸に貢献する企業も伸びる可能性があります。
🧓 現役時代の“延命”が企業価値を生む
天野:企業も変わりましたよね。昔は“疲れて倒れるまで働け”って雰囲気でしたけど、今は“長く働いてもらうには環境を整えよう”になってきてる。
鎌田:特にAIやデジタルの力を借りて、仕事の効率化や健康管理が進めば、「引退の壁」ももっと遅くなるかもしれません。
八木:そうすると、AI技術やヘルステック企業も注目ですね。
鎌田:そのとおり。投資家としては、こうした社会の構造変化に“寄り添える”企業を先回りして投資していくことが肝になります。
📈 今回の“ほんまでっか?”まとめ
- 昭和は「ピークで引退」、令和は「いかに長く活躍するか」
- 定年延長・高齢就業者増加は社会構造の変化を示す
- 人材サービス・健康・IT支援など“現役長寿”を支える企業に投資妙味あり
- 一見「人生論」でも、実は重要な投資テーマになる
💬 ラジオならではの“ゆるく、深い”知見
天野:鎌田さん、今日の話は投資の話というより人生哲学だった気がします(笑)
鎌田:(笑)でもね、投資も人生も「長期的にどう成長するか」が大事なんですよ。
松園:そう考えると、今の社会を支える企業が“未来の大型株”になるわけですね。
鎌田:それが、ほんまでっか? ではなく、ほんまなんですよ(笑)
※本記事はラジオNIKKEI「ザ・マネー 火曜日」の放送内容をもとに構成しています。実際の投資判断はご自身の責任でお願いいたします。