「きょうカブ!~鎌田伸一の今日の株式」は、ラジオNIKKEI第1のマーケット情報番組「ザ・マネー」内で放送されている注目のマーケットコーナーです。

ベテラン記者・鎌田伸一さんが、その日の東京株式市場の動向を的確かつリアルタイムに解説。

放送後はポッドキャストでも配信されており、忙しい方でも後から聴くことができます。

▶︎ ポッドキャストはこちら

出典:ラジオNIKKEI

週明けの日経平均はまさかの反発スタート

週初の東京市場は、意外性ある展開から始まりました。

先週末の米株安を受けて、「これは日経平均も300円は下げるかも…」と身構えた投資家も多かったはず。しかし、ふたを開けてみれば、日経平均は371円高で取引終了。1%高の高値引けでした。

その理由のひとつが、米国から飛び出した“あのニュース”。

「EUに対して50%の関税をかける」とトランプ前大統領がSNSに投稿。
この発言が市場をざわつかせましたが、実際には「関税発動を6月1日から7月9日に延期する」という報道が入り、悪材料のひとつがひとまず棚上げされた格好に。

鎌田さん
「これ、いちいち反応してたら身が持ちません(笑)。でも悪材料が消えたことで、アメリカ株は今週、反発するとの見方も出ています。」

なお、今晩(5月27日未明)のアメリカ市場は休場。米株の本格的な反応が見られるのは火曜日夜以降となります。

日米鉄鋼ディールが生む「半導体株買い」の波及効果

もうひとつ、今日の相場を動かしたのが日本製鉄とUSスチールのパートナーシップ報道です。

トランプ氏はこの動きを「素晴らしいパートナーシップだ」と好意的に評価。ただし、出資比率や支配構造などの詳細はまだ不明な点も多く、市場では「この提携が関税交渉の駆け引き材料になっている」との見方も。

鎌田さん
「こうした流れを見ると、半導体装置メーカーにも追い風が吹きそうです。日米協調が鉄鋼で実現するなら、同じように“日本の強み”である半導体装置もセットで動く可能性がある。」

この連想が今日の主力株に火をつけました。

注目の半導体関連が大幅高

日本が誇る半導体製造装置メーカーが、そろって買われました。
• アドバンテスト:+4.0%
• レーザーテック:+4.7%
• 東京エレクトロン:+2.3%

背景には、「日米が強みを持ち寄って、技術連携が進むのではないか」という期待感があります。

うっち
「鉄鋼の話が、半導体にまで波及するなんて面白いですね!」

きょうの主役は黒崎播磨(5352)

相場全体が堅調に動く中で、東証プライム市場の値上がり率トップとなったのがこの銘柄です。
• 終値:2,786円(+335円)
• 騰落率:+13.66%

黒崎播磨は、鉄鋼生産に不可欠な「耐火物」を製造する企業で、筆頭株主が日本製鉄。

つまり、日本製鉄がアメリカでUSスチールと本格的に生産を始めるとなれば、耐火物需要が一気に高まるという見方が出ているのです。

鎌田さん
「この銘柄は、まさに日米協調の波に乗っていると見て良いですね。」

黒崎播磨のデータピックアップ

  • 連結売上高: 約1,780億円
  • 海外売上: 約800億円(全体の約45%)
  • 北米売上: 約115億円(約6%)
  • インド: 約420億円と大きなシェアを占める

これまであまり目立たなかった北米市場での売上が拡大する可能性があり、今後の地域別収益構造の変化にも注目です。

今週の相場の見通し

月末・週末が重なる今週は、イベントこそ少ないものの、政治リスクや材料株の物色に投資家の目が集中しそうです。

鎌田さん
「大きな経済指標はありませんが、政治の動き、それに応じた企業の反応。そうした個別対応型の相場になると思います。」

うっち
「“選ばれる銘柄”が主役になる週なんですね!」

今回のまとめ

• 米国関税の発動延期が市場に安心感をもたらし、日本株は反発
• 日本製鉄とUSスチールの提携が、半導体装置株にも好影響
• 黒崎播磨が米国での成長期待で急騰
• 今週はイベントレスだが政治と企業ニュースが主役

次回の放送予告
• 放送日: 2025年5月27日(火)
• 番組ページ: ラジオNIKKEI「きょうカブ!」
• ポッドキャスト登録: RSSはこちら

ブログ読者のみなさんも、気になる銘柄や話題があれば、ぜひ「#きょうカブ」でXに投稿してみてくださいね!