「今日の株式市場、朝から強かったんですよね。だんだん上がってきた、そういう状況でした」

ラジオNIKKEI『ザ・マネー』の名物コーナー「きょうカブ!」より、鎌田伸一記者が伝える東京株式市場の1日。2025年5月29日の相場は、朝からずっと上昇基調でした。

出典:ラジオNIKKEI

■ 朝方から上げ幅拡大

「ニューヨーク市場が終わった朝5時、日経平均の夜間先物は170円高くらいでした。そこからエヌビディアの決算発表があって、時間外で株価が4.8%上がった。これが追い風でしたね」

「6時時点で240円高。さらに朝8時ごろには、アメリカの国際貿易裁判所がトランプ関税を差し止めるという司法判断を下したと。これがね、大きな買い材料となったんです」

「朝から500円くらい上げてて、その後も買い戻しが活発に入って、最終的には700円超の上昇となりました」

■ トピックス、年初来高値に迫る

「トピックスもね、あとちょっとで今年の終値ベースの高値(3月27日:2815.47ポイント)に届くというところまで来ました。

今日の高値から80銭くらいでそこに並ぶという、そんな場面でした」

■ 今日の主役は半導体と自動車

「今日の上げをけん引したのは、やはり半導体と自動車関連です。特にアドバンテスト、藤倉、トヨタ、ホンダ。このあたりが強かった」

  • アドバンテスト(6857):+376円高(+5.18%)
  • フジクラ(5803):+377円高(+5.78%)
  • トヨタ(7203):+108円高(+4.1%)
  • ホンダ(7267):+65円高(+4.54%)

「業種別では、非鉄金属が一番強くて、フジクラとか住友電工とか“電線株”が大きく買われました。次が輸送用機器、自動車関連ですね」

■ トランプ関税“差し止め”の意味

「今回の司法判断、つまり『トランプ関税は大統領の権限を逸脱している』という判断が出たわけです。関税って本来法律に則ってる必要があるんですけど、それが違法とされた。そりゃ市場は反応しますよ」

「ただし、控訴もされる見込みなので、これは“今日の材料”と割り切って見る必要もあります。すぐに決着つく話ではないですから」

■ NTT×住信SBI報道でネット銀行に波及

「あともう一つの注目材料がこれ。NTTドコモが住信SBIネット銀行を買収するってニュース」

• 住信SBIネット銀行(7163):ストップ高
• 楽天銀行(5838):+591円高(+8.73%)
• SBIホールディングス(8473):+325円高(+4427円)

「これを受けて、“ネット銀行の企業価値ってもっとあるんじゃない?”って見方が広がった。関連銘柄が一斉に買われました」

■ 3時半の大引け速報

•   日経平均:+710円58銭高の3万8432円98銭(終値)
•   トピックス:+42.51ポイントの2812.02ポイント(終値)
•   高値:2時56分につけた3万8454円
•   安値:寄り付き直後の3万8035円
•   プライム市場:値上がり1117/値下がり437/変わらず71

売買代金は4兆7521億円。なかなかの活況相場となりました。

■ 6月、4万円の夢は?

「4万円いくのか、って話ですけどね……。私の本音を言えば、6月中はちょっと厳しいかなと思ってます」

「ただね、私が弱気だと、株が上がるんですよ(笑)」

「そういう意味では、“外れてほしい予想”として『つかない』に1票入れときます。さて、どうなりますかね」

以上、5月30日の『きょうカブ!』放送内容を、鎌田真一記者の語り口調とともにお届けしました。