こんにちは、ラジオNIKKEI「きょうカブ!」、鎌田伸一です。

今日も東京市場の動き、注目銘柄、今週の展望を、リアルな声でお伝えします。


■ 日経平均、ついに3万8000円台回復!

本日2025年6月9日、日経平均株価は346円96銭高3万8000円88銭で取引を終えました。終値ベースで3万8000円を上回るのは、5月29日以来。この節目突破の背景には、アメリカ市場の“トリプル高”がありました。

米雇用統計を受けた株高・金利高・ドル高

日本株にとっては、まさに買われやすい地合いでした。


出典:ラジオNIKKEI

■ 【注目データまとめ】本日の主要銘柄と指標

銘柄終値前日比騰落率
日経平均38,000.88 円+346.96 円+0.92%
アドバンテスト(6857)8,314 円+385 円+4.85%
大塚HD(4578)7,711 円+357 円+5.3%
10年国債利回り1.47 %+0.015 pt

この表を見ていただければ、半導体・医薬品・金利関連に投資家の注目が集まった一日だったことがよくわかります。


■ 半導体関連が強い!アドバンテストが上昇率トップクラス

特に存在感を示したのがアドバンテスト(6857)。売買代金トップとなり、5%近い上昇

  • 背景には先週の米ブロードコム決算(5%下落)による影響
  • それでも日本の半導体株は逆行高で反応
  • 短期的には今夜の米国市場での動きがカギ

さらに明日には、TSMC(台湾セミコンダクター)の5月月次売上高発表が予定されています。

4月の売上は前年比+48%で過去最高。

5月も強い数字が出れば、エヌビディアや米半導体株の買い直し材料になる可能性も。

関税の影響や駆け込み需要の判断も含め、非常に注目度の高いイベントです。


■ 銀行株も堅調、金利上昇と貸出増加が背景に

業種別では医薬品に続いて、銀行株が上昇率第3位となりました。

  • 日本の10年国債利回りが1.47%へ上昇
  • 株高の中でのじわりとした金利上昇は「良い金利上昇」として評価されやすい
  • 日銀発表の5月の貸出平均残高:前年比+2.4%増

日本経済の潜在成長率(1%未満)を考えれば、堅実な伸びです。

銀行セクターにとっては、金利・貸出の“ダブルポジティブ”。


■ 大塚HDが牽引した医薬品セクター、5%超の急伸

本日最も買われた業種は医薬品セクター。その中心にいたのが**大塚ホールディングス(4578)**です。

  • 終値:7,711円(+357円、+5.3%)
  • 時価総額:約4兆円
  • 腎炎治療薬「シベプレンリマブ」のフェーズ3試験が好結果と発表(6/7)

ポカリスエットで有名な同社ですが、医薬品事業の好調さが株価を押し上げました


■ 今週の注目指標:米CPIとFOMC利下げ観測

水曜日(6/12)には**米CPI(消費者物価指数)**の発表があります。

  • 1月:+3.0%、2月:+2.8%、3月:+2.4%、4月:+2.3%
  • 今回(5月分)も鈍化が続けば、利下げ観測が再浮上する可能性も

現状、6月FOMCでの利下げ確率はほぼゼロですが、

CPI次第ではトランプ氏のFRB圧力再燃という政治的材料も加わります。


■ まとめ|キーワードは「3万8000円台」「半導体」「CPI」

本日の日本株は3万8000円台回復という大きな節目を迎えました。

半導体・銀行・医薬品という主力セクターが揃って上昇し、週明けの地合いは明るく見えます。

今週はTSMCの月次発表米CPIという、マーケットにとって重要なイベントが控えています。

引き続き、「きょうカブ!」で鎌田伸一が臨場感たっぷりに解説していきますので、お楽しみに!


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