「それでは今日も、東京市場の一日を振り返っていきましょう」

出典:ラジオNIKKEI

📉日経平均は続落、3万8000円をまた割れた

「はい、きょうの日経平均株価、338円84銭安の3万7834円25銭。2日連続の下落となりました」

「午前中、下げ幅が一時600円近くまで拡大する場面もありました。そこから少し戻してこの水準。でも、やっぱり3万8000円を下回って終えたっていうのは印象として重たいですね」

「それでもね、今週は1回、3万8500円まで行きました。ここ、実は2月21日以来、3カ月以上も越えられなかった壁なんです」

「ようやくそこに届いた…となれば、もうこれは“やれやれ売り”が出るタイミングだった、ということですね」

🔥有事の材料が、売りの口実に

「きょうの下落、材料としては中東情勢の緊張です。イランとイスラエルの関係が再び報道されて、そしてアメリカはどう動くのか。いわば“有事の材料”ですね」

「こういうニュースが出ると、どうしてもリスク回避に傾きやすいです。戻り売りのタイミングに、有事が重なる。これは売られる流れになりやすいですよ」

🛢原油が急騰、東京市場でも“資源高”

「原油価格がね、きょうは5%以上の上昇。東京の原油先物は1キロリットルあたり6万1920円。これ、なかなかの値動きですよ」

「加えて、東京金先物も193円高の1万5887円。資源やコモディティに“安全資産”としての資金が動いている様子が伺えます」

🏦FOMCを控えて、市場は静かにざわつく

「そして、来週はいよいよFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が発表されます。6月18日、水曜日の予定です」

「思い出してほしいんですが、前回3月のFOMCでは、年内に2回の利下げが予想されていました」

「その時の“中心値”が政策金利3.9%。つまり、FFレートとしては3.75~4.00%というゾーンです」

「今回は、これが変わるのかどうか──パウエル議長が今の地政学リスクをどう捉えるか。そしてFOMCの参加メンバーがどう見ているのか。これが大きな焦点になります」

💬「利下げで株は上がる」けれど、日本株には落とし穴も

「利下げ期待が強まれば、アメリカ株にはクッションになります。でもね、それと同時に“ドル安”も進む可能性がある

「そうなると、為替でのドル売りが強まる=円高になる=日本株にはマイナス要因になるんですね。これは注意したいところです」

🗣“いま議長を替える話? それは違う”

「そしてね、ちょっと政治的な話ですけど、FRB議長を誰にするかという報道が出始めてます。次期議長に誰を…みたいな」

「でも、いまパウエルさんは“仕事中”ですよ? 一生懸命やってる。その最中に次は誰だなんて、これはちょっと失礼でしょう」

「マーケット以前に、こういうところも見られてます。金融政策への信頼感って、こういう部分でも揺らぐことあるんですから」

🗓来週は重要イベントが連続

「日米英、それぞれの中央銀行が会合を予定しています。そして地政学リスク、FOMC、為替…来週はもう、“複合的に不安と期待が交錯する週”になるでしょうね」

📊本日のマーケットまとめ

指標 終値 前日比
日経平均株価 3万7834円25銭 -338円84銭
トピックス 2756.47pt -26.50pt
東証グロース250 752.52pt -11.20pt
プライム市場売買代金 5兆1899億円
値上がり銘柄 291銘柄 約17.8%
値下がり銘柄 1303銘柄 約80%

✅きょうのまとめ:上昇の反動と、不安材料が入り混じる相場

「ようやく越えかけた3万8500円の壁。でも、利益確定の“やれやれ売り”が出て、有事とFOMCの不透明感が重なる。これはもう、売りが優勢になるのは自然な流れ」

「ただ、来週のFOMCで利下げが示唆されれば、再びリスクオンの流れになる可能性もある。いまは一歩引いて、“材料を見極める時間”に入ったという印象ですね」

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