2025年6月19日午後、東京株式市場の引け直前──
「きょうカブ!」のコーナーでは、ラジオNIKKEIの鎌田伸一記者が、FOMC後の世界市場の反応と、個別銘柄の動きを臨場感たっぷりに語りました。

■日経平均は396円安、FOMCの“じわりと効く”結果
午後3時18分時点、日経平均は340円安で推移。最終的な大引けは【396円81銭安の38,488円34銭】と、ほぼ安値引け。トピックスも【16.27ポイント安の2792.08ポイント】となりました。
朝6時の先物は約200円安と見られていましたが、寄り付きは底堅くスタート。その後はじりじりと下げ幅を拡大。
鎌田記者はその背景に、FOMCの結果発表による“遅れて効いてくる”不安感を挙げます。
「物価見通しが引き上げられて、GDP成長率は下方修正。インフレは3.1%予想に(前回は2.8%)、GDPは1.7%→1.4%。これは“消費が落ちる”という予測です」
金利の見通し自体(年末3.9%)は3月時点と変わらず、「2回の利下げ」という安心材料もありましたが、それ以上に“物価高”と“景気鈍化”のコンボが重しとなったようです。
■下がっても買われる、強い日本株
とはいえ、相場には下支えの強さも見られました。
「昨日までの3日間で1050円上げた流れを考えると、今日はその4割弱の調整」と鎌田記者。
「3万8800円を4カ月ぶりに回復した日本株。この基調が強いことは明らかです。だから下がれば買われる」
アメリカ市場が休場(ジューンティーンス)という“空白”を控え、全体の値動きはやや手控えムードながら、個別株には元気な銘柄も目立ちました。
■今日の“ツボ銘柄”はセガサミー(6460)
「今日はセガサミーがツボにはまりました!」
そう語った鎌田記者が熱く語ったのは、セガサミーホールディングス(6460)。
この日の株価は【+477円高の3655円、+15%】という急騰。6日続伸で、年初来高値を一気に更新しました。
材料は、**みずほ証券の目標株価引き上げ(3700円→3900円)**と、同社のレポート内容。
- ゲーム事業が2027年3月期に再成長へ
- パチスロ機などの遊技機も早期発売が決定
- 営業利益見通し:2026年3月期は550億円(下方修正)、27年3月期は690億円(上方修正)
- 1株利益は245円予想
「材料が出た瞬間、人気のゲーム株にしてツボにはまる。こういう時の反応は非常に鋭いですね」と、鎌田記者は指摘しました。
■アミューズメント株に注目集まる
ゲームだけでなく、映画の**東宝(9602)**も強く、【4日続伸で2カ月ぶり高値】を更新。
また、防衛関連の中小型株として注目されたのが、電気興業(6706)。
- 終値は【+239円高の2235円、+11.97%】
- 防衛事業が業績牽引(25年3月期:+66%、26年3月期予想:+38%)
鎌田記者いわく、「防衛関連の“ダークホース”的な動き」であり、通信や無線の技術力が背景にあるとの見立てでした。
■主要指数・商品市況まとめ
指標 | 終値 | 前日比 |
---|---|---|
日経平均株価 | 38,488円34銭 | -396円81銭 |
トピックス | 2,792.08 pt | -16.27 pt |
東証グロース250 | 757.58 pt | -4.031 pt |
売買代金(プライム) | 3兆6,462億円 | |
値上がり銘柄数 | 657 | |
値下がり銘柄数 | 890 | |
東京金 | 15,762円 | -101円 |
東京原油 | 64,470円 | +790円 |
■鎌田記者が注目した“もう1つのデータ”
最後に、5月の貿易統計から“食品輸出”の好調ぶりが紹介されました。
- 5月:前年比+17%
- 1月〜5月連続で2桁増(13%→25%→23%→18%→17%)
- 月間1000億円規模の輸出
「日本の食品が海外で信頼されている証拠。こういう分野の安定成長は頼もしいですね」
■まとめ:FOMCの余波と“個別物色”の妙
アメリカのFOMCが投げかけた“物価と景気”の懸念は、今日の日本市場にもしっかり影響を与えました。
しかし、全体は調整であって、トレンドが崩れたわけではありません。
そして、セガサミーのように“材料次第でツボにはまる銘柄”が飛び出す地合い。
個人投資家にとっては、この“個別物色の妙”を感じ取る感性が試される1日だったかもしれません。