7月10日株式市場|ディスコ業績上方修正で急騰、アドバンテストは最高値更新!半導体株の明暗とは?ラジオNIKKEI『きょうカブ!~鎌田伸一の今日の株式』

「さて、午後3時20分を回りました。ここからはラジオNIKKEI記者・鎌田伸一さんと一緒に、東京株式市場の一日を振り返ります。鎌田さん、よろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


出典:ラジオNIKKEI

📰 日経平均は反落、4万円目前で足踏み

この日の日経平均は、朝方には39,910円と4万円の大台に迫る場面もありましたが、終わってみれば174円92銭安の39,646円36銭。トピックスも15.82ポイント安の2,812.34ポイントと軟調でした。

「朝の6時、日経平均先物は39,910円。『おっ、これは4万円チャレンジか?』という空気でしたね」

ところが、その後に伝わったのが米国によるブラジルへの関税引き上げ報道。なんと50%に引き上げというインパクト大の内容で、マーケットは一気に“利食いモード”へ。

「半導体株は強いものの、全体としては戻り売りが厚くなった印象です」

注目銘柄

銘柄終値騰落コメント
ディスコ(6146)43,030円+1,740円(+4.21%)営業利益を約45%上方修正し好感
アドバンテスト(6857)11,205円+225円(+2.04%)史上最高値を更新中。1年で株価6割上昇
コシダカHD(2157)1,290円+137円(+11.88%)カラオケ事業好調で過去最高益

💹 ディスコ急騰!好決算で45%の上方修正

半導体関連の中でひときわ注目されたのがディスコ(6146)。この日、前日比で**+1,740円高の43,030円(+4.21%)**と急騰しました。

「ディスコは営業利益見通しを100億円超上方修正!これはインパクト大ですね」

従来238億円としていた営業利益を、なんと340億円へ。生成AIブームの追い風を受けた格好です。


🚀 アドバンテストは史上最高値を更新

**アドバンテスト(6857)**も好調。**225円高の11,205円(+2.04%)**で取引を終え、史上最高値を更新しました。

「1年前と比べて6割も株価が上昇しています。すごいですね」

一方で、東京エレクトロンやディスコはまだ昨年の水準に戻っていない状況。半導体株の中でも**“生成AIと相性がいい企業”が先行して評価される**展開です。

「半導体株は“選別の時代”に入っています」


🇰🇷 韓国市場でも明暗:SKハイニックス vs サムスン電子

アジアでも同様の傾向が。韓国では、SKハイニックスが+3.7%で史上最高値を更新。高付加価値メモリ需要が背景です。

「一方のサムスン電子は52週高値から3割下。これが今の差なんです」

同じ半導体でも生成AIとの結びつきが、株価の明暗を分けているのは明らかです。


📉 TSMCの月次売上、伸び鈍化に市場注視

午後に発表されたTSMCの6月売上高は、前年比+26.9%の2,637億台湾ドル。伸びてはいるものの、

  • 4月:+48%
  • 5月:+39%
  • 6月:+27%弱

と、やや伸び鈍化が見られます。

「前月比で17%のマイナス。これは短期的に見ると気になる材料です」

今夜の米市場でのTSMC株の反応次第では、日本の半導体株にも影響が出そうです。


🎤 コシダカHDがストップ高級の急騰!カラオケ需要が業績押し上げ

午後1時、決算発表を行った**コシダカホールディングス(2157)は、+137円高の1,290円(+11.88%)**と大幅高。

「営業利益が9ヶ月累計で83億円。カラオケ需要が戻ってきています」

売上・利益ともに過去最高で、店舗数も24増の688店に。

「うちの息子たちもよく行きます。今やカラオケは“憩いの場”ですね」

ファミリーや学生にも支持されている業態の強さが見えました。


🛒 セブン&アイ・ファーストリテイリングの決算速報

引け後に発表された大手2社の決算速報は以下の通り:

  • セブン&アイHD:営業利益650億円(前年比+9.7%)
  • ファーストリテイリング:9ヶ月累計営業利益4,500億円(+12.2%)

ファーストリテイリングは純利益・配当予想を据え置きで、通期見通しに変更なし。

「SQ算出の直前に出る材料としては、無難に通過という印象です」


📊 東京市場まとめ

指標 終値 前日比
日経平均株価 39,646円36銭 -174円92銭
トピックス 2,812.34 -15.82pt
東証グロース250 751.35 +10.60pt
プライム売買高 約20億株
売買代金 約4兆7,738億円
値上がり/値下がり 522銘柄 / 1,040銘柄
東京金先物 15,773円 +93円
東京原油先物 60,380円 -130円

📝 鎌田記者の総括「半導体は“見る目”が問われる時代へ」

「TSMCの月次データは、今後の決算にも直結します。1週間後にはTSMC本決算──世界が注目しています」

生成AI関連、米国の関税、TSMC、そして国内の決算発表と、材料は山積。

「今の相場、ただ“半導体だから買う”では通用しない。“どこが強いのか”を見極める目が求められています」

明日7月11日はSQ算出日──マーケットは引き続き、目の離せない展開が続きそうです。