出典:ラジオNIKKEI

📊 本日の東京株式市場の動き

指標 終値 前日比 騰落率
日経平均株価 39,459円62銭 -110円60銭 -0.28%
TOPIX 2,822.81 -0.43 -0.02%
東証プライム売買高 約14億9,600万株
東証プライム売買代金 約3兆6,610億円
値上がり銘柄数 907(56%)/値下がり:649(40%)/変わらず:70
東京原油先物 61,450円 +1,430円 +2.4%
東京金先物 16,041円 +152円 +0.95%

🗣️ 鎌田伸一さんのラジオトークから

「今週はアメリカの金融機関決算を皮切りに、経済指標が山のように発表されます。日本もアメリカも、中国も…もうマーケットを揺さぶる材料が次から次へと出てくる週です。」

鎌田さんは冒頭から、“今週は大荒れになる可能性がある”と示唆。

とくにアメリカの大手銀行決算が、今後の経済動向をストレートに映す試金石になると指摘していました。

「今週の東京市場は、材料が出るたびに株価が動く可能性があります。

だから今日は売り買いがどちらかに偏るというより、経済スケジュールをにらんだ様子見。週明けらしい静かな取引でしたね。」

確かに、日経平均は3日続落したものの、指数全体に悲観ムードが漂っているわけではなく、むしろ個別物色の循環が続く地合い。

鎌田さんが繰り返し強調していたのは、
「大型株のリーダーが見当たらないなか、資金がテーマ株や出遅れ株に散っている」という点でした。

🔥 循環物色の中心は“防衛関連株”

鎌田さんが最初に取り上げたのは、防衛関連株の三社。

「今日は“防衛三社”が活発に物色されましたね。銘柄コードで言うと7011、7012、7013。いつもの顔ぶれですけど、久しぶりに勢いが戻ってきました。」

銘柄 終値 前日比 上昇率
三菱重工(7011) 3,310円 +125円 +4.0%
川崎重工(7012) 10,225円 +322円 +3.3%
IHI(7013) 15,035円 +525円 +3.6%

背景には「下げ止まりからの反発」がありました。

  • 6月末の高値から調整が続き、先週火~金だけで累計6.5%下落
  • 「どこで買おうか」と様子をうかがっていた投資家の資金が一気に流入

「米国が日本に国防費増強を求める報道、これがちょうどいい買い材料になった印象です。防衛関連株は今年の主役のひとつ。調整が続いていたところに、報道がスイッチになったんですね。」

鎌田さんは、**防衛関連株は下げたら拾いたい投資家が多い“循環物色の定番”だと解説。

今日の上昇は、単なるテーマ買いではなく、「買いのタイミングを待っていた投資家が一斉に動いた結果」**だと言います。

🚗 出遅れ株の代表格・日産が反発

次に注目されたのは、日産自動車(7201)。

「日産は16年ぶりに300円割れという厳しい状況でしたが、今日は11円10銭高の318円90銭、3.6%の上昇です。」

  • 先週は資金調達懸念が嫌気され300円を割り込む
  • 2009年以来、16年ぶりの安値水準
  • しかし土曜の日経新聞で、ホンダの車を日産の米工場で生産する案が報道

→ 稼働率が低い工場を活用できるとの思惑で買いが入る

「日産は“極めて弱い株”の代表格になっていましたからね。だからこそ、リバウンド狙いの資金が一気に入る。リーダー株が見当たらない相場では、こうした出遅れ株に短期資金が集中するんです。」

鎌田さんは、“弱い株が反発する”のも循環物色の一環と強調していました。

つまり、今の相場は52週高値を更新するような勢いのある大型株が少ないため、投資家は割安感や出遅れ感のある銘柄に目を向けているとのこと。

📅 今週の注目材料は“中国の経済統計”

最後に、今週の展望についても一言。

「明日は中国の主要な経済統計が出ます。実質GDP、鉱工業生産、小売売上高。特に5月の中国小売売上高は6.4%と高い伸びでしたから、6月もこの勢いが続くのか注目です。」

  • 6月から米中の関税交渉が再び緊張感を増している
  • その影響が工場生産や小売売上にどう出るか
  • 発表タイミングが日本株の取引時間中なので、リアルタイムで株価が動く可能性も

鎌田さん:

「中国は日本株にとっても需要面で密接な影響があります。明日の指標が悪いと、輸出関連や素材株に波及する可能性がありますし、逆に強ければ景気敏感株の買い材料になります。」

🎯 今日の相場の本質

✅ 材料待ちの様子見相場の中で、防衛関連株・出遅れ株に循環物色が集中
✅ 指数をけん引する主役株は不在、短期資金はテーマ株や割安株へ
✅ 明日の中国経済指標が、週後半の相場を左右するカギになる

✅ まとめ

今日の東京市場は、日経平均が3日続落しながらも、個別銘柄では循環物色が活発化した一日でした。

鎌田さんは、

「今の相場は指数に勢いがない分、資金がテーマ株や出遅れ株を回遊しています。」

と解説。

実際、防衛関連株(三菱重工・川崎重工・IHI)は、先週までの調整を経て買い直される典型的な循環物色の動きが見られました。

米国が日本に国防費増強を求める報道が材料視され、下げを拾いたい投資家が一斉に動いた形です。

一方で、16年ぶりの300円割れに沈んでいた日産自動車も、米ホンダの車を日産の米工場で生産するとの報道がきっかけで反発。これもまた「弱い株が反発する」という、循環物色らしい動きでした。


今後の注目材料は、明日発表される中国の主要経済指標です。

  • 4-6月期のGDP
  • 6月の鉱工業生産
  • 6月の小売売上高

特に5月の中国小売売上高が**前年比+6.4%**と高い伸びを示していたため、

6月もこの勢いが続いているのかが注目ポイント。

鎌田さんは、

「中国の統計は日本株にも直結します。景気敏感株や素材株など、中国需要を取り込む企業の株価がすぐに反応するでしょう。」

と語っていました。


つまり、今の東京市場は「テーマ株・出遅れ株中心の短期資金が回遊する地合い」

今週はアメリカの金融機関決算、中国統計、さらには日本企業の決算発表も本格化していくため、

**材料が出るたびに相場の主役が変わる“短命テーマ相場”**になりそうです。


今日の相場の本質を3行で整理すると…

  1. 日経平均は続落でも、循環物色が活発な“テーマ株相場”
  2. 防衛関連株は調整後の押し目買いで大幅反発
  3. 出遅れ株の日産も報道を材料に16年ぶり安値から反発

そして、明日の中国経済統計が週後半の方向感を決めるカギとなります。


📢 防衛関連・出遅れ銘柄を拾う流れが続くか、それとも中国統計で地合いが変わるのか──明日の東京市場に注目です!