以下は、ラジオNIKKEI『きょうカブ!~鎌田伸一の今日の株式』での解説を交えた東京株式市場レポートです。
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✅ 東京市場の概況
📊 7月24日 東京市場サマリー
指標 | 終値 | 前日比 | コメント |
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日経平均株価 | 41,826円34銭 | +655円20銭 | 連日の年初来高値更新 |
TOPIX | 2,977.55 | +51.17 | 史上最高値更新 |
東証グロース250 | 759.48 | +2.58 | – |
プライム市場売買高 | 約22億株 | – | – |
プライム市場売買代金 | 5兆7,264億円 | – | – |
値上がり銘柄数 | 1,357(84%) | – | – |
値下がり銘柄数 | 215 | – | – |
東京金先物 | 16,000円 | -306円 | – |
東京原油先物 | 60,620円 | +510円 | – |
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🎙 ラジオのポイント解説
「はい、現在の日経平均株価は713円18銭高の4万1,884円49銭。
そしてTOPIXは52ポイント高の2,979ポイント台となっています。
もう今日は見出しは1つ――トピックス、ついに史上最高値を更新!
プライム市場の時価総額は1,000兆円台に乗せました。
あとわずかで、節目の3,000ポイントに届くかどうか…そこに市場の注目が集まっています。」
鎌田さんの声が、少し弾んでいました。
トピックスの高値更新は昨年7月以来、約1年ぶり。今日はまさに“祝杯ムード”が漂う展開です。
なぜここまで買われたのか?
鎌田さんの解説は、まず日米貿易交渉の合意に触れました。
「日本がアメリカに80兆円規模の投資を行うというニュースが、昨日から市場を大きく刺激しています。
連想はこうです――日本がボーイングの飛行機を100機買う→ボーイング株上昇→米株高→日本株先物が買われる→東京市場全面高。
相乗効果が日米でぐるぐる回っている、そんなイメージですね。」
さらに具体的な動きも…
「キャタピラーの株価が史上最高値を更新しましたね。
“日本からの資金が米インフラに入るなら、建設機械も売れるだろう”と。
米国株が上昇し、その流れを東京市場が朝から引き継いだ、そんな展開です。」
🔥 個別注目銘柄
鎌田さんが名前を挙げたのは銀行株。
「今日の主役はやっぱり銀行株ですね。
長期金利は1.6%台に入りました。円はむしろ買われています。
つまり国債売りではなく“資金需要の増加”が背景にある正常な金利上昇。
こうなると、銀行の収益環境が好転するとの見方が強まるんです。」
🔥 注目個別銘柄(7月24日)
銘柄 | 終値 | 前日比 | 上昇率 | コメント |
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みずほFG(8411) | 4,560円 | +160円 | +3.65% | 5日続伸、3月高値を更新 |
りそなHD(8308) | 1,470円 | +86円 | +6.21% | 準メガバンクの代表格が高値更新 |
三井住友トラストHD(8319) | 4,089円 | +95円 | +2.37% | メガバンクに次ぐ存在感で資金流入 |
ブリヂストン(5108) | 6,340円 | +243円 | +3.98% | 米州売上比率50%超、米投資拡大期待 |
テルモ(4543) | – | – | – | 米ヘルスケア需要拡大の連想買い |
オリンパス(7733) | – | – | – | 出遅れ感から買い戻し |
💡 銀行株の共通点
- 3月の高値を4カ月ぶりに更新
- これまで地銀が主体だった物色が、メガバンク・準メガバンクへシフト
- 残る三菱UFJ・三井住友FGが追随すれば、TOPIXの3,000ポイント乗せが視野に
鎌田さんの解説は、単なる株価の羅列ではなく、背景までスッと頭に入ってくるのが特徴です。
「ボーイングの飛行機を100機買うって、これ誰が使うんですかね?
全日空?JAL?…まあ、金額ありきの発表に見えますが(笑)
でも市場は“数字が大きければそれでよし”という反応。
アメリカの株価が上がれば、それが日本株の追い風になるのも事実ですからね。」
そして、自動車関連の話題になるとブリヂストンへ。
「ブリヂストンの売上構成を見ると、アメリカ大陸が半分を占めるんですよ。
日本のグローバル企業って中国・アジア比率が高いことが多いんですが、ブリヂストンは珍しくアメリカ比率が圧倒的に高い。
だから“米国経済が強くなる”というシナリオなら、真っ先に買われるわけです。」
精密機器株にも言及。
「テルモやオリンパスなど、医療機器メーカーも買われています。
今回の貿易交渉の結果、アメリカのヘルスケア分野が重点分野になるという観測があって、そこへの連想買いです。」
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🏦 銀行業種33業種すべて上昇
業種別騰落率トップは以下の通り
1. 銀行業
2. 精密機器
3. ゴム製品
4. 非鉄金属
まさに“全面高”の様相です。
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📊 決算発表の材料
- 信越化学(4063)
- 4-6月期営業利益:前年同期比▲12.7%
- 通期営業利益見通し:6,350億円(前期比▲10%)
- ニデック(6594)
- 4-6月期営業利益:614億円(前年同期比+2.3%)
- キヤノン(7751)
- 上期営業利益:2,140億円(前年同期比+8%)
「明日はファナック、SCREENホールディングスなどの決算も出ます。
トピックスが3000ポイントに届くかどうか、決算シーズンの内容次第ですね。」
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💹 今日のまとめ
• 日経平均は**4万1,826円(+655円)**で引け • TOPIXは史上最高値を更新、3000ポイント到達が目前 • 銀行株主導の全面高、米国投資80兆円合意の好影響が波及 • 米経済強化期待→米株高→日本株高の好循環 • ブリヂストンなど米州売上比率の高い銘柄が特に強い
鎌田さんは最後に、金融政策の難しさにも触れました。
「去年7月に最高値をつけた後、3週間で大暴落したのを忘れちゃいけない。金利の動かし方を間違えると、すぐ調整が来る。だからこそ慎重に金融政策を進める必要があります。」