【きょうカブ!2025年7月29日】半導体製造装置に投資判断の冷や水──レーザーテック急落、野村総研は好決算で急騰

日経平均は3日続落。きょうも半導体関連株が主因で下げ幅拡大です。レーザーテックが急落、アドバンテストの前日に続く「レーティングショック」が影を落としました。
一方、好決算を発表した野村総研(NRI)が急騰。エンプラスのストップ高もあり、決算シーズンらしい明暗が分かれた一日となりました。
🎙 ラジオNIKKEI「きょうカブ!」鎌田伸一の今日の株式(2025年7月29日)
午後3時27分。東京市場はまもなく大引け──日経平均は前日比342円93銭安の4万655円34銭と、3日続落の展開です。下落率は0.8%。TOPIXも22.56ポイント安の2,980.17ポイント、0.7%のマイナス。
この日も半導体株が足を引っ張りました。鎌田記者いわく、
「昨日はアドバンテスト、きょうはレーザーテック。2日連続でレーティング引き下げを受けて、主力の半導体製造装置メーカーが急落しています」
レーザーテック(6920)はモルガンスタンレーMUFG証券による「アンダーウェイト」への投資判断引き下げがきっかけとなり、終値14,830円、8.4%安で値下がり率トップ。昨日のアドバンテストに続く厳しい展開となりました。
🔍 一方、上昇銘柄も目立つ:野村総研とエンプラス
ポジティブなサプライズもありました。
**野村総研(4307/NRI)**は、前日発表の決算で営業利益14%増、今期11%増益見通しを発表。AIソリューションへの期待も高まり、8.3%高の5,881円で取引終了。
「幸先の良いスタートと評価されて、アナリストの間でも注目が高まっています」(鎌田記者)
また、**エンプラス(6961)**は減益決算ながら、四半期進捗が上期計画の75%達成と好感され、ストップ高の5,010円で引け。市場が「思ったより良い」と評価したパターンです。
💡 アドバンテストは下げた翌日に好決算
きのう急落したアドバンテスト(6857)は、3時半に純利益を上方修正(1,790億円→2,215億円)。ただし、PR42倍と割高感が意識されており、
「小心者なので、PR50倍とか言われるとちょっと高いと感じちゃうんですよね(笑)」
という鎌田記者の本音も飛び出しました。
🔽 キヤノンは自社株買いを発表して反発
一方、先週の決算で売られた**キヤノン(7751)**は、新安値をつけるも、終値4,087円と小幅反発。
15時半に3,200万株(発行済み3.5%)の自社株買いを発表。これが一定の株価下支え効果をもたらしました。
🌍 米ハイテク決算ウィークに注目
今後の焦点は米決算。
- 7月30日:マイクロソフト、メタ
- 7月31日:アップル、アマゾン
AI・半導体投資が継続しているか、特にアルファベットが設備投資を850億ドルに引き上げたように、注目の集まる週となります。
📊 東京株式市場まとめ(2025年7月29日)
📈 7月29日の東京市場トピックス
- 日経平均:40,674円55銭(-323円72銭、-0.79%)
- TOPIX:2,980.64(-22.09pt、-0.75%)
- 東証プライム出来高:約16億740万株
- 売買代金:約4兆円
- 東京金:15,964円(-80円、-0.50%)
- 東京原油:62,000円(+1.6%)
- 値下がり主因:レーザーテック(6920)8.4%安、アドバンテストの後を追う形
- 決算好感:野村総研(4307)8.3%高、エンプラス(6961)ストップ高
- 材料株:キヤノン(自社株買い)
- 注目の米企業決算:マイクロソフト、メタ、アップル、アマゾン
✅ 編集後記
「好決算でも売られ、悪材料でも買われる」──決算シーズンは難しいですが、見通しと市場の期待値とのズレが株価にどう反映されるかがカギです。
鎌田記者のように「ちょっと高いかな…と思ってしまう感覚」も投資家目線で重要なヒントですね。